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JKSKサロンレポート 
JKSKでは毎月スピーカーを招き、会員とゲストの交流会を開催しています。JKSKの活動報告として、11月に映画監督・松井久子さんをお招きした交流会の様子をご紹介します。

●JKSK会員とゲストの交流会 11月

講 師:映画監督・松井久子さん
テーマ:「50歳からの挑戦・女性たちの思いを映画に託して」

第25回の講師は、50歳で女性映画監督として話題の自主作品を制作している松井久子さんである。

松井さんは早稲田大学の文学部演劇科を卒業後、雑誌の編集者、プロダクションを設立してマネージャー、プロデユーサーを務め、新藤兼人監督に薦められて「ユキエ」で監督デビューをした。

今までの作品は、
第1作:「ユキエ
戦争花嫁としてアメリカに住んだ日本女性がアルツハイマーとなる。アメリカ人夫との愛を描いた作品。
第2作:「折り梅
認知症の義母を家庭に抱え介護する女性(妻、母として)とその家族-現代社会における介護と家族を、苦悩と葛藤をどう乗り越えていくかを描いた作品。

男性映画監督が描く女性は往々にして「こうあってほしい女性像」であるが、松井監督の作品は、本 当の女の気持ち、心意気、感情をそのままに描き、伝えてくれる。と両作品とも、見たお客さんが口コミで、「うちの街でも市でも上演してほしい」「是非、あの方にも見てほしい」とどんどん上映の場が増えていき、「ユキエ」は観客数70万人、「折り梅」は100万名を超え大成功を果たしたという。 「ユキエ」「折梅」共に介護問題と家庭愛を訴えたもので、松井監督は福祉関係の監督と言われてきた。しかし、決してそれだけではない、ぜひ第3作を、という観客の応援に応えて、3年半前から取り組んでいるのが、第三作、世界的な彫刻家イサムノグチの母を描いた「レオニー」である。彫刻家イサムノグチのアメリカ人の母。出会った運命から逃げないで引き受けて生きてゆく、一人の強い女性の姿・生涯を描いて見せたいという。

日本女性が映画監督、プロデューサー、キャストはアメリカ人という日米合作を指向した松井監督が日本の映画界の友人にその夢を語ると、日本映画界では経験のないことに「それは無謀な企画、できるわけが無い、あなたのシナリオを買い上げ、貴女は一介のプロデューサーにされるのがいいところ」と冷たい反応であった。

しかし、自らニューヨークに赴き関係者と話し合ったところ、アカデミー賞ノミネート作品である「ミシシッピ・バーニング」のプロデユーサーとして有名で多くの作品を生み出したプロデユーサー、フレデリック・ゾロが「シナリオは素晴らしい。重要なことは、日本人女性の貴女が監督をすることだ、そういう条件であれば、私は喜んでプロデユーサーをお引き受けし、アメリカ映画界の一流のキャストを探しましょう」ということになり話が進められているという。

日本においては、通常では、映画会社・代理店・TV・などの大会社が10社ぐらいで制作委員会を作り、例えば1社5000万円出し合ってリスクを分散する、いわゆる互助会的な方法ですすめられるが、松井監督は本当に創りたいものを皆に呼びかけ協力者を開拓し、自ら資金を集めて映画創りを行ってきている。

監督をやってみて、リーダーシップ、特に「女性のリーダーシップ」の問題に直面したという。女優は、女性の監督に撮られたことがなく、男性の監督に育てられてきたともいえる。女性の監督にとって、女優をどう扱うかが大きな一つのポイントであるとのこと。実績のない新人の女性監督が、倍賞美津子、吉行和子、原田美恵子という大女優から、プロのスタッフ達(カメラ、大道具・・・)を使うのであって、これは大変な試練・探りあいであり、リーダーシップが試される訳である。

結局一番大切なことは、「自分は監督として何を伝えたいかを明確に皆に伝えること」であることがようやく判ってきたという。これさえしっかり伝えれば、むしろアメリカの方がやりやすかったという。 人心掌握といっても、べたべたと甘えたり、主演の人と食事をしたり仲良くなってはいけない。監督とは、なめられては駄目で真に孤独な命がけの勝負であるとおっしゃる。

福祉映画から「レオニー」へ、今までと異なり舞台もアメリカと日本にまたがり、予算も大規模のものとなる、松井監督の挑戦が始まっている。日本のプロデユーサー役の一人である木全さんは、このプロジェクトへの協力方法としては[1]投資、[2]企業協賛金(企業メセナ協議会)、[3]助成金、[4]個人寄付金(マイレオ二ー賛助金)などの方法があるのでご協力を。と協力を呼びかけている。

 

バックナンバーリスト

2006年10月 【第24回】 渋沢栄一の世界 渋澤雅英さん
2006年7月 【第22回】 日本人としてゴスペルを歌っていきたい 内田奈々子さん
2006年6月 【第21回】 カンボジアで児童買春と戦うソーシアルベンチャー 村田早耶香さん
 
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