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JKSKサロンレポート 
JKSKでは毎月スピーカーを招き、会員とゲストの交流会を開催しています。10月の交流会は、弁理士の吉井一男さんをお招きし、お話をうかがいました。

●JKSK会員とゲストの交流会 10月

講 師:吉井一男さん
テーマ:「弁理士とは何か?」

今日の講師は、“弁理士”の吉井一男さん。
吉井さんは、昨年JKSKのウエブサイトを見て大いに共感して、JKSKに入会したばかりの 新しい会員である。「弁理士」とはときどき耳にするが、一般にはあまり知られて無いのが 現状であるので、弁理士の最先端に居られる吉井さんに「弁理士とは何か?」についてお話をして頂いた。当然用語は難しく話は堅い内容であったが、講師の人柄を反映して、「フェロモンは特許になるか」などの話題を織り込んで、脳を刺激する興味のある内容であった。

・弁理士とは 「Patent Attorney」であり、特許の代理人ということで英語の方が判り易い。 知的財産を取り扱う。因みに弁護士は「Attorney at Law」である。

・基本的に「理系」の仕事であり「グローバル」な仕事である。それは、特許の対象である「発明」(Invention)は技術的アイディアであり、言語・民族・宗教などを超えた 普遍的なものであるからという。よって語学力が重要なポイントになる。

・弁理士の仕事は、大きく出願と訴訟の二つに分類することが出来る。

1)出願  
(1)内内 日本人(法人・個人)によるJPO(日本国特許庁)への出願。
(2)内外 日本人(法人・個人)による外国特許庁への出願。
(3)外内 外国人(法人・個人)によるJPOへの出願。
2)訴訟  
(1)行政訴訟  (2)民事訴訟
出願と訴訟の仕事上の比率は、吉井さんの場合は90%と10%という。

・「特許制度の概要」
1)プロセス :審査(特許・拒絶)→審判(特許・拒絶)→訴訟(認容・棄却)
2)活用 :「入口」(権利の取得)と「出口」(権利の活用)

・「特許要件」では、どのような発明が特許になるのか?
1)「発明」は技術的なアイディアであり、自然法則は結果として利すればよく、そのメカニズムを明確に把握する必要はないという。但しデータは必要。
(例えば「真珠養殖法の発明」は、何故だか解らなくても結果としてデータで効果が顕著であれば良い)
2)「産業上の利用性」(Industrial Applicability)
純医療分野の「方法」(治療法、検査法など)は特許とならないという。それは
医療業は、特許法第29条第1項に言う「産業」という範疇(基本的に製造業)に入らないからという。但し、「物」発明(医薬、医療機器 等)は、その「物」自体は製造業により製造されるので、医療用途の有無に拘わらず特許とされるとのこと。
3)「新規性」(Novelty)
客観的に新しいことで、全世界の文献・ネット掲載などに記載されてないこと。
4)「進歩性」(Inventive Step、Non-obviousness)
他に無いひねり、意外性または顕著な効果があること。
5)「先願性」(Prior Application、)
日本など他の国は殆ど先願主義(First-to-file system)だが、アメリカだけは
先発明主義(First- to- invent system)であるとのこと。
次に、「冷凍麺類解凍・加熱処理方法事件」及び「インクカートリッジ・リサイクル事件」という具体的な「侵害事件」についての説明があった。 <良く理解できなかった。>

最後に特許業界の問題点として、人材確保、ナレッジマネジメント(例えば、特許翻訳教育)等が挙げられた。その後、いろいろな質疑が行われた;

●日本で取得した特許は外国でもどの程度有効か?

基本的には属地主義である。(即ち、日本で取得した特許は日本国内でのみ有効:他国でも同様。) 最初の出願(例えば、日本出願)の後1年間は、パリ条約で、条約が適用される同盟国間では、どこでも「優先権」が有効(即ち、その1年間の間に、米国、EPO (ヨーロッパ特許庁)等に出願すれば、日本出願時に米国、EPOなどに出願したものとして扱われる)。PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)による出願を利用すれば、 上記パリ条約と同様に1年以内に、日本国特許庁(JPO)に、日本語で「外国出願」することも出来る。

●日本の特許出願件数は世界で一番多い。しかし細切れで出す傾向があり、出願1件当たりのR&D(研究開発)費用は、それ程多くない。

●特許関連の「訴訟」は、実際問題としては弁理士と弁護士が組んで連携してやるのが正しい。(通常、技術マター・法律マター双方が重要な論点となるので)。

●この分野でも女性の方が優秀な場合が多いが、優秀な女性を確保する為には、託児所確保や在宅勤務などをもっと活用出来る様にすべきである。(例えば、ヨーロッパ特許庁(EPO)におけるように)。

● 一般の理解を深める為にも、「弁理士」という日本語の名前を変えた方がよいのでは?

本日の理事長の手造りおつまみのテーマは「無題」。しかし、31種のお料理は、「けんちん汁」「赤飯にぎり」「蟹寿司」「肉じゃが」「お稲荷さん」「蓮根・牛蒡・人参・椎茸・大根・南瓜・里芋・インゲンなどの野菜のお煮付け」「茹でポーク」「鶏のから揚げ」「青椒肉糸」「ポテトサラダ」
「コールスロー」「磯辺焼き」などなど。         

(文責 JKSK事務局)
 

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