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JKSKサロンレポート 6月
JKSKでは毎月スピーカーを招き、会員とゲストの交流会を開催しています。6月の交流会は、
ライヤ―奏者の三野友子さんをお招きし、お話をうかがいました。

●JKSK会員とゲストの交流会 6月

「耳をすます・心をすます~竪琴ライアーが教えてくれたこと」

今回のJKSKサロンは、いつもの地下から2階へと会場を移しての開催となりました。

明るく開放的な2階の会場で、本日の講師、三野友子さんのご講演を拝聴したのは、まさにライアーを聴くためのサロンのような素敵なスペースでした。

三野友子さんは、福岡県出身。8年半にわたるドイツ滞在中にご子息が通われていた現地のシュタイナー幼稚園でライアーと出会い、アネマリー・ローリング女史に師事し、ライアーの奏法を学ばれました。

と、紹介すると順風満帆な人生を思い描きますが、木全理事長によると三野さんのご結婚後の人生は、悪い意味で「典型的な日本女性の生き方」と手厳しい。高等教育を受けたからには、社会に恩返しするのが世界の常識。日本の女性は、能力を活かす機会もなく、なんの疑問も持たずに結婚しているのが日本女性と木全理事長はおっしゃいます。

三野さんは、大学、大学院と進まれ、留学を経験した後、大学時代の友人の腕利きの商社マンと結婚され、ドイツでの駐在生活を迎えます。結婚して2児の母親となった三野さんを待っていたのは、家庭を顧みることがない仕事一筋の典型的な日本男児の夫との生活。三野さんは、帰国後そんな結婚生活に自分の身体が対応できず、ピリオドを打ちます。そして、木全アカデミーで、木全理事長と出会い、人生初めて真摯に自己と向き合うようになり、ボランテイア活動だけではなく、プロのライアー奏者としてのご自身の道を邁進されるようになります。自分の人生をしっかりと見つめ、何の迷いもなく、その目標に向かって邁進する、素晴らしく凛とした姿勢で、自立心をもって歩いていく日本女性に変身していたのです。

クラッシクからケルト音楽まで、中世の祈りの音楽、オリジナル曲まで幅広いレパートリーを持ち、各種イベント、パーティー、サロンコンサート、病院、老人ホーム、幼稚園等での演奏や朗読や語りとのコラボレーション等、様々な場所で、ある時は、ボランテイア活動として、他の時は、プロとして要請に応える、癒しの空間を提供する演奏活動を行っていらっしゃいます。おそらく、国内のみならず、やがては国境を超えて活躍される国際的なライアー奏者となられるであろう・・とは、木全理事長の予言。

まず三野さんのライアーの演奏、バッハの「主よ人の望みの喜びを」から本日のサロンは始まりました。ほとんどの方が初めて接するライアーという楽器。優しく清々しい音色に、会場の皆様はたちまち惹き込まれてしまいました。

ライアーは、「竪琴」のこと。ギリシア時代まで遡る古い楽器です。ハープは現代まで生き残っていますが、ライアーは、ヨーロッパでは中世以降残念ながら廃れてしまったそうです。そんなライアーが再び甦ることになったのは、86年前、南ドイツで、哲学者であり思想家でもあるドイツのルドルフ・シュタイナー博士の思想に共鳴した弟子達が、「小さな音色に耳を傾けることによって子供達の感性を育みたい」と、現代にマッチした竪琴を蘇らせたことによるそうです。主に音楽療法で用いられていたそうです。日本でもスタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」での木村 弓さんの弾き語りでポピュラーになりました。

2曲目の演奏は、この「いつも何度でも」を三野さんの澄んだ歌声とともに・・・。会場からは、「天使の歌声!」という声が掛かりました。

三野さんとライアーの出会いは、約13年前、ご子息が通われるシュタイナー幼稚園のクリスマス会でのこと。先生達が弾くライアーの音色に、なんて可愛らしい楽器。派手ではないけれど心に響く楽器。欲しい!弾いてみたい!私が待っていたのはこれだ!と心の中で叫ぶ声が聞こえたそうです。この瞬間、三野さんの音楽と音の扉が大きく開かれたのです。

ライアーを新しい人生のパートナーに、ご自身の人生を取り戻し、美しく輝く日々を楽しまれている三野さん。ライアーから感じたことは、 ひとつひとつの音が深い音色をもっていて、ひとつの音が空間を満たすときに感じる幸福感。ひとつの音を聞いているとその音の行方を知りたくなること。そして静けさの向こう側に耳を澄ませていると、聴覚が研ぎ澄まされ、自分の内面にも清澄な時間が訪れること。耳を澄ませて、心の内側の「静けさ」を感じる心のゆとりの大切さだそうです。

現代社会は、不必要な大きな音や騒音に囲まれています。たくさんの不快な音に囲まれ、自分の意思で音を聴こうとすることがなくなってしまっています。そうしているうちに聴覚が麻痺してしまい、昔の人のように自然界の音をキャッチする耳を失ってしまっているとのこと。

いつもいろいろな音に囲まれているため、静けさに慣れず、無意識にテレビやラジオをつけてしまうように、内面の静けさを感じ取れなくなり、精神的にも落ち着かない状態に陥ってしまっているとのこと。

三野さんは、そんな現代に生きる私達の生活に警鐘を鳴らしてくださいました。

自ら意図して音のない時間を作り、さらに耳を澄ましてみると、風の音や虫の音など今まで聞こえなかったことも聞こえてくるようになり、自分の内面が穏やかに静かになるとおっしゃいます。

変化のスピードが速い目まぐるしい時代だからこそ、身の回りに静かな空間を作り心を整えることの重要性を説いてくださいました。

また、「誰でも心の奥にきれいな水をたたえた美しい湖があります。その湖の水面がざわざわと波が立っている状態ではなく、とても穏やかで静かな状態、水が透き通った状態になっています。そっと今の静けさの「向こう側」に耳を澄ませてみましょうと」と、そのイメージ作りも伝授してくださいました。

3曲目の演奏は、三野さんのオリジナル曲「約束」

この曲は、自分で自分自身の人生を生きたい、と自ら約束していたのでは?と気付いたときのご自身の思いを重ねて作ったそうです。

ライアーは、ピアノと同じ並びで、裏側がピアノの黒鍵の役割をしているそうです。

41弦で3オクターブ。指の腹で撫でるように弾くのだそうです。

ライアーの工房は世界各地にあるものの、日本人好みの音色、「千と千尋の神隠し」の影響か、日本が世界中で一番ライアー愛好者が多いそうです。

すっかりライアーの音色に魅了されたひとときでした。いくつかの質問の後、出席者最年少の7歳の宮崎魁壱君の「アンコールをお願いします」の掛け声に応えて「アメージング・グレース」の演奏で閉会となりました。

本日の木全理事長の手料理のテーマは「梅雨の時期なので、それを吹き飛ばす華やかなお料理、と私は福岡出身なので郷土料理、例えば”筑前煮”など、一品を加えていただけたら・・」という講師のご要請に応えて・・・。実をいうと、父は柳川、母は博多、そして、ご自分は福岡、久留米の出身なのに、筑前煮など食べたことも、母から教わったこともなければ、まして、自分でも作ったことがないという木全理事長。久しぶりに、料理の本に釘づけになり、用意をした48種のお料理の中の、ほんの一品の筑前煮なのに、一番時間がかかったとか・・。でも、「本物の筑前煮の味だよ」とは味見をしてくれた木全理事長の夫の反応に自信を持ってのご登場だったとか・・・。

中川 惇様から広島県安芸郡榎木酒造の「華 鳩」を、また、石畑孝子様からは、①TRENTIN GRAMA DOP 24monnths(イタリア)と②BLUE STILTO (イギリス)の差し入れをいただく。

(文責 JKSK事務局) 

 

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