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JKSKサロンレポート 9月
JKSKでは毎月スピーカーを招き、会員とゲストの交流会を開催しています。9月の交流会は、
東北大学大学院 農学研究所・(株)循環社会研究所 地域文化政策 食育担当 研究員の
大友和佳子さんをお招きし、お話をうかがいました。

●JKSK会員とゲストの交流会 9月

「緊急時の支援は 人 to 人~秋田からの助けが来た体験から」

2012年9月のJKSKサロンは、東北大学大学院 農学研究所・(株)循環社会研究所 地域文化政策 食育担当 研究員の大友和佳子さんを講師に迎えての開催となりました。

講師の大友 和佳子さんは宮城県名取市出身。横浜市立大学国際文化学部を卒業後、お茶の水大学大学院にて文化人類学修士号を取得。市民参加協力事業におけるインパクト調査、ファーマーズマーケットの経済効果調査などを研究テーマにし、国際協力銀行、JICA、JA総合研究所などで研究活動を重ねて来られました。2009年東北大学において研究活動に携わることになり、念願であった、「故郷である東北の価値を発信していこう!」と思った矢先に起きたのが東日本大震災でした。

大友さんが目の当たりにした、東日本大震災とは…

それは、時・人・地域によって被災状況がまったく違うという大災害でした。大友さんが生まれ育った名取市では家を失った人や家族・親戚を失った人が山のようにいる一方で、隣の仙台市は状況が異なっていたのです。震災後大友さんらが行ったアンケートによると、名取市の「食の供給不足長期化に不安を感じた人数」は仙台市の約2倍だったそうです。一日の食料が、具や海苔のないべちゃべちゃのおにぎりが一つだけという日もあったとか。「日本人は災害時のような困難な時でも礼儀正しい」ということが盛んに世界に発信されましたが、現実はそんなに綺麗事だけではなかったようです。そして、このような状況の中であっても、「記録に残す」ことの必要性は大友さん自身訴えておられます。「ものごとは記録しないと風化してしまうんです。震災後綴り続けた自分の手記を今見直すと、その時の絶望感は薄れてきているけれども、こうやって今話ができるのは手記のおかげです。」と仰っていたのがとても印象的でした。

大友さんの自宅は全壊を免れたものの、親戚が身を寄せている避難所に行ってみると、さらに厳しい現実が待っていました。その中で大友さんが伝えたいことは4つです。

1.大震災発生時のわたしたちの従来のライフラインがいかに壊滅的であったか

2.機能しなかった災害時システム(避難所運営の問題)

3.緊急事態は今までやってきたことの中の「関係性の中」でしか動けないこと

4.命をつないだのは、人と人とのネットワーク、小売店舗の農家とのネットワーク、しちりん技術や漬物などの保存食、食をつくる知恵の大切さ

震災後間もなく、秋田県に住む大友さんの仕事関係の知人が、納豆や牛乳を持って家まで来て下さいました。その知人は、被災地では外部からの情報が遮断されている上、内部からも訴える手段が不足しているのを知り、「名取市の現状を秋田で訴えるべき」と大友さんを後押しして下さったそうです。ほどなく大友さんは秋田東成瀬村へ行き「食料が極端に不足するなど機能しない避難所」の現状を訴えました。その後募金で集めた25万円を資金にして、地震発生15日後ようやく、避難所での炊き出しが実現したのです。“トラックで乗り込む”という形での炊き出しは、実際に各所で行われていました。“乗り込む”ことでしか炊き出しが実現しないというのは、機能しなかった災害時システムの一事例です。

地震発生30日後には避難所生活をしている人たちの秋田県東成瀬村への短期宿泊もスタートし、「元気をもらった」「この恩、忘れない」などの声が上がったそうです。

最後に、大友さんと木全理事長、そして、出席者とのQ&Aの中で、

「被災地には一日でも実際に行き、見てほしい。自ら感じることが支援、協力の一歩」

「社会の変革は、国よりも個々人の力の方が強いのでは?」

「一人一人がひとりに寄り添うことでマクロなグランドデザインになる。」

「落ち込んでいる、泣いている暇があれば一歩でも二歩でも行動を・・被災地の女性たちのエネルギーには、すごいものがある。非被災地の首都圏等の女性エキスパートとご一緒に・・・新しい日本創生を目指してJKSK結結Pも活動を展開しているが、1人でも多くの全国の方々にも復興完成まで東北と関わっていただきたい。」などという意見交換が行われセッションは終了した。

震災後1年半以上経った今、これからが復興のスタートでもあります。来月10月19日・20日はJKSK結結プロジェクト「第4回車座交流会」南陸前&大埼市で開催されます。まだ数名の募集枠がありますので、ぜひふるってご参加を・・・。

また、今回からJKSKサロン出席者に、現在展開されている主要なJKSKの活動をご理解、ご参加いただくことを願って「JKSK Now !」を配布することになった。

理事長の手料理のテーマは、「グラタン、栗きんとん、肉料理が大好き」という講師の意向を酌んでのお料理50種。

(文責 JKSK事務局) 

 

バックナンバーリスト

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2012年6月 【第80回】「耳をすます・心をすます~竪琴ライアーが教えてくれたこと」三野友子さん
2012年5月 【第79回】「人の知恵を使う」中川惇さん
2012年4月 【第78回】「日本の古典芸能が結ぶ日本とアジア」梶田恵臣さん
2012年3月 【第77回】「フィンランド式 リチーミング」川西由美子さん
2012年2月 【第76回】「これからの幼児教育~日本人として、国際人として」中井恵子さん
2012年1月 【第75回】「アジアの経済成長が世界から期待される理由」パク・スックチャさん
2011年11月 【第74回】「ニモナルの暮らし」伊藤陽子さん
2011年10月 【第73回】「力の父性文明から和の母性文明への転換~日本からの発信」村田光平さん
2011年9月 「台風15号襲来」
2011年7月 【第71回】「食べ方は生き方」地曳直子さん
2011年6月 【第70回】「自動車産業の中で働いている私」ティツィアナ・アランプラセさん
2011年5月 【第68回】「向き合っているのは障がいではなく社員・お客様・常識!」 成澤俊輔さん
2011年4月 【第69回】「アグリ・コミュニティビジネスで創る豊かな地域社会」 大和田順子さん
2011年2月 【第67回】「今なぜ、LED(発光ダイオード)か~①生活を変える家庭用LED,②LED8つのメリット」  浅井健吉さん
2011年1月 【第66回】「上海万博を振返って、中国が国際社会と協調していく契機となったのか」  塚本弘さん
2010年11月 【第65回】「世界一思いやりのある企業をめざして~半径1メートルを幸せにする経営」  重永忠さん
2010年10月 【第64回】「現場の心に火をつける! らしさマネジメント」  浜本亜実さん
2010年9月 【第63回】「ワイス・ワイス、グリーンインテリアブランドとしての取組み」  佐藤岳利さん
2010年7月 【第62回】「日本社会における女性のキャリアとアイデンティティの日独比較研究」  ワッカ・アンネ・ステファニーさん
2010年6月 【第61回】「19歳で来日して25年、旅行社の幹部としてCSR活動 ~観光のみではなく、途上国との交流・実体験の機会を日本の若者達に~の企画に燃える」  Bobby Azadul Haqueさん
2010年5月 【第60回】「自立・寛解・就労-無限の可能性を秘めて~精神障害者雇用数日本一の企業からのメッセージ」  遠田千穂さん
2010年4月 【第59回】「婚活ブームと言われるが、今どのような現状になっているのか?」  白河桃子さん
2010年3月 【第58回】「雑誌オルタナとの3年~その哲学と仲間たち」  森 摂さん
2010年2月 【第57回】「カタリバの誕生と今日までの活動」  今村久美さん
2010年1月 【第56回】「家事代行サーヴィス産業が産声をあげた1999年!」~女性の笑顔の価値~ 高橋ゆきさん
2009年11月 【第55回】「中東諸国を歴訪して」 多田幸子さん
2009年10月 【第54回】「ぼくの村は戦場だった~紛争地で生きる人々~」 山本美香さん
2009年9月 【第53回】「Diversity & Inclusion」1万人調査から見えるもの 堀井紀壬子さん
2009年7月

【第52回】「日本農業再生への具体的な Road Map」 山峰國彦さん

2009年6月

【第51回】「行財政改革の切り札 ~パブリシティーから見た事業仕分け~構想日本の取組み~」 西田陽光さん

2009年5月

【第50回】「アジア女子大学(バングラディッシュ・チッタゴン) ~アジアの先進国日本、日本人としての参画を ~」 キャシー・松井さん

2009年4月 【第49回】「フィトテラピー(植物療法)を医療で活かす欧州に見習う」 ~ Au Sein des Femmes(オッサンデファム・女性の乳房と健康を守る会)日本支部のこれからの活動  森田敦子さん
2009年3月 【第48回】 食の安全~日本ハム(株)社外重役をお引き受けして 早川祥子(サチコ)さん
2009年2月 【第47回】 学習する組織だけが生き残る~チーム・ダーウイン 熊平美香さん
2009年1月 【第46回】 笑顔の父親が増えている~パパ力(チカラ) 検定 安藤哲也さん
2008年11月 【第45回】 絵の楽しみ 山崎富治さん
2008年10月 【第44回】 弁理士とは何か? 吉井一男さん
2008年9月 【第43回】 自衛隊と女性 ~イラク派遣を経験して~ 佐藤正久さん
2008年7月 【第42回】 グローバル教育 ~地球村への10のステップ 渥美育子さん
2008年6月 【第41回】 コンプライアンス不況を脱して活力ある日本経済を復活させるために 大久保和孝さん
2008年5月 【第40回】 日中韓フォーラム発足が意味するもの 松尾篤さん
2008年4月

【第39回】 「Cradle to Cradle」~ゆりかごからゆりかごへ~ (世界を新しくする ものづくり) 岡山慶子さん

2008年3月

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2008年2月 【第37回】 韓国の食文化~キムチのお話 崔 誠恩(チェ・ソンウン)さん
2008年1月 【第36回】 一人称のキャリアを目指して 田中幸子さん
2007年11月 【第35回】 ポテンシャルの高い女性がどんどん入社してくる・・なのに・・私はチャレンジしています。 大竹 千広さん
2007年10月 【第34回】 狭心症と心筋梗塞 木全心一さん
2007年9月 【第33回】 日本の七不思議 佐藤玖美さん
2007年7月 【第32回】 日本のグローバライゼーションを考える 塚本弘さん
2007年6月 【第31回】 「気が付くか、気付かぬかの勝負」~日本の外で何が話題になっているか~ 木内孝さん
2007年5月 【第30回】 被害者、その家族・親族の苦しみの実態を、彼らの人権を考えよう 志賀こず江さん
2007年4月 【第29回】 政治に何が欠けているか ~そして、母を語る~ 橋本五郎さん
2007年3月 【第28回】 「女劇YOKTO23KU」~人脈形成のキーポイント~ 弓山桂司さん
2007年2月 【第27回】 どこかおかしいこの社会~日米両社会を知り尽くした日系三世の目から~ 佐渡アンさん
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