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JKSKサロンレポート ~2月~
JKSKでは毎月スピーカーを招き、会員とゲストの交流会を開催しています。
2月の交流会は、村田由美子綜合事務所所長、NPO法人ワンストップ成年後見センター理事長の 村田 由美子 さんをお招きし、お話をうかがいました。

●JKSK会員とゲストの交流会 2月

「成年後見の最前線から」

今日の講師は村田由美子先生。JKSKが12年前に発足した時から昨年まで、監事をお引き受けくださっておりました。村田先生は司法書士をはじめ十数個の資格を持ちながら、村田由美子綜合事務所を経営されながら自立した生き方をなさっています。「資格を取得するようになったのは、39歳の頃、「貴女も(女性も)自立する力を持っていなければ・・・」という夫の強い気持ちに押されて、資格試験の合格に必要な準備を夫が全て整えてくれ、その流れに乗って行ったという経緯もありますが」とは村田先生の言。※夫の癌発見は、2000年開業の直前です


私が成年後見制度に関わり始めたきっかけは、母が認知症になったことです。認知症になるといろんな症状が出てきます。冷蔵庫や冷凍庫に祝儀袋が入っていたり、徘徊が始まったり・・・そんな状況の中でしたが、地域の方がとても助けて下さったことで、乗り切ることができました。そこで、「私に何かお役に立つことはないか?」と考え始めたのです。

成年後見制度とは未成年ではないが判断能力の不十分な人の権利・財産権などを守る制度。今は戸籍に記載されることもなく「戸籍が汚れない」ので、この制度を利用される方も増えました。成年後見制度には法定後見(既に認知症、家庭裁判所管轄)と任意後見(転ばぬ先の杖、公証役場管轄)があります。実際は認知症等を発症してから慌てて法定後見を申し立てるケースが多く、また親を見る兄弟同士の不信感(介護を引き受けた長男が親のお金を使い込む等)のために申し立てるケースも増えています。この申し立て権を有する人は、4親等内の親族に限られていますが、親族関係が希薄になっていて申立てどころか係りを持つことさえ嫌がる人がいて、必要な申立てが迅速にできないことがあります。最終的には行政にも申し立てられますが、大切な税金が使われるせいか、申立てまでのハードルは高いです。また親族の後見人というのは財産を使い込んでしまうという問題があり、現在では全体の5割程度にとどまります。その他は私たちのような専門職の後見人です。

法定後見で最も辛いのは、本来後見人が判断できないことなのに、親族がなく、本人が意思表示できない場合に後見人に延命治療などの判断を問われること・・・任意後見が普及するといいと思っています。また突然宝くじに当たったかのように相続人になった方が、故人が大切にしていたものや写真や位牌は不要だけど、金銭は拒否せず持って行く・・・というケースも多く、私たちは心を痛めております。金銭だけで結構ですと、故人が宝物としておられたお箏を紙屑のごとく取り扱われ、お箏を大切にされているK様に、受け取っていただいたということもあります。

ぜひ皆さんには任意後見に目を向けていただきたいと思います。日本人はサービスに対して対価を払うという考えが少ないと思います。私たちは毎月約3万円で後見人を引き受けています。 僅かのお金を惜しんで大金を有効に使えない・・・というケースが案外多いのです。自分はどうやって一生を終えたいのか・・・そんなことを考えるきっかけになればと思います。判断能力があるうちに、ぜひご自分の老後を考えて下さい。

日本人はお金をため込むことは得意ですが、使い方が下手ですね。「お金があるけど不幸な日本人、お金はないけど幸せなフランス人」という本を読みました。お金が1億あっても2億あっても、日本人は不安感に襲われるのです。私はファイナンシャルプランナーとして、現実的な試算をすることを勧めています。お金はあくまでも交換手段。自分の人生を豊かにするために使えばよいと思います。故人の生きてきた歴史、尊厳を大切にできない方に財産が行ってしまうのを見ると、とても心が痛みます。生きたお金の使い方をしましょう。

そして遺言を書くときには、有効であるかどうか専門職に確認してもらうか、公正証書遺言にしましょう(自筆遺言はすべて自分で書かなければ無効になるなど厳格な要式性が求められます)。また死亡と同時に後見は終了するので、その後のことを託す死後事務委任契約というのも最近は認知され、注目されています。一方で寂しさを感じるのは、病院から直接火葬場へという直葬方式です。現在全体の40%程度あるそうです。


村田先生には法律専門職のお立場から、現代の日本が抱える問題を提起していただきました。家族間であっても関係性が希薄になっているケースは少なくありません。私たちはどうやって生き、死んでいくのか・・・人ごとではなく、自分の問題として考えたいと思います。

(文責:JKSK事務局)

 

 

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