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 第106回JKSKサロン●JKSK会員とゲスト定例交流・勉強会
「カメラマン~議員へ。60歳の転進。
       これほど知的好奇心を刺激する仕事は無い」

山崎陽一さん
       東京・羽村市議会議員・報道写真家
       認定NPO法人 JKSK女性の活力を社会の活力に 理事

2015年2月18日(水)19:00~21:00
「CULTURE」(表参道)

今回のサロンスケッチは、講師の山崎陽一さんがお書きくださいました。お忙しい中、ありがとうございます。

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 カメラマンから市議会議員へ。60歳の転進は突然でした。
 住んでいる東京都羽村市で「広い道路を造るため、総事業費355億円で1,000戸の家を取り壊したり移動する」という区画整理事業が計画され、多くの住民が反対運動を続けていた。その仲間から議員を出したいと私に声がかかりました。
 「真実を語れば、一人でも世論」をスローガンに、実質1ヶ月の選挙運動だったが幸いにも滑り込み。木全さんからは、カンパや知人の紹介などずいぶんお世話になりました。出会いは週刊朝日の取材で、JKSKに誘われ、このサロンには1回目から参加しています。

世界を見たくてカメラマンに
 カメラマンへの夢は中学生のとき。「ロンドン~東京5万キロ」写真集でした。朝日新聞記者・カメラマンがトヨペットクラウンでヨーロッパ、中東、アジアを巡った10ヶ月の旅行記。彫りの深い東欧女性の笑顔、巨大なトルコのモスクなどの写真に世界への夢が膨らみ、中・高校では写真部。東京写真短大(現・東京工芸大)を出て、写真家の弟子になりました。師匠は写真界の巨匠・土門拳先生の愛弟子であったから日本文化への造詣が深く、社会問題にも敏感。3年間、ものの考え方から写真技術までを学んで独立。70年安保改正を前に盛り上がる学生運動、反基地闘争の撮影に没頭。山梨県「北富士忍草母の会」のベトナム戦争帰還米兵演習阻止闘争の写真が「アサヒグラフ」に掲載されたことが縁で「朝日新聞」の仕事をするようになりました。25歳の時、首都圏ニュース面で「食べ物店ルポ」(写真・文)を150回連載。このときの文章修業が役立ち、その後は「週刊朝日」委嘱カメラマンとして30年。「うちのヨメ賛~縁あって父娘」の著名人家族グラビア連載は1365回続きました。JKSKの木全さん、木内さん、北里さんにも登場していただいてます。この間、エジプトでのツタンカーメン王の遺品撮影、週刊朝日百科「シルクロード紀行」など海外撮影にも30回程出ています。
 グラビア企画の基本は各地の問題への着目です。調査し、現地を訪ねて関係者の話を聞き共に考え、解決策を紙面化する。議員になり、報道カメラマンとの共通点が多いことに気がつきました。。

議員もカメラマンも「聞く」事から
 議員の役割も地域課題の解決です。現場に出向いて関係者と話し合い、同時に市担当者からも聞き取りをする。行政は「しがらみを断ち切れない。決めたことを変えられない。新しいことを始められない」が実態。話はわかる・・・しかし「yes but」です。それを、こうすれば可能かもしれない「yes and」に発想転換すべきではないか。こうした議論を、市議会の一般質問で展開していく。これが市政のチェックや市民福祉向上につながると考えています。
 また、メディアの基本は権力に対する批判精神。二元代表制の自治体では執行機関に対す批判の視点が欠かせない点でも同様で、市民派議員としてあらゆる議案に向き合い判断します。 いうまでもなく、市議会は市の最高意思決定機関。年4回の定例会で、約100本の議案を審議。予算・決算審議では500ページ近い資料から問題事業を抽出。必要性、達成目標、費用対効果を精査し判断する。歳入財源の種類、歳出は教育、福祉、建設など幅広い分野に及ぶので、日ごろの勉強が欠かせません。JKSKサロンのような都心でのシンポジウムにもできるだけ参加して情報収集をしています。羽村市議会議員は18人。議員報酬は年間740万円、政務活動費は年間18万円です。

これほど知的好奇心を刺激する仕事は無い
 キャリアとは馬車の轍(わだち)のようなもの、と思っています。振り返るとだいぶ左に寄りながらも多くの経験を刻み込んでひとつの線を描いおり、この延長線上に今の議員活動があります。同時に住民自治や震災復興支援活動の記録撮影も続けており、報道写真家と議員「二足のわらじ」活動8年目。
 「これほど知的好奇心を刺激する仕事は無い」というのが実感です。

議会はみんなを待っている  議会への無関心が言われ、加えて政務活動費の不正使用なども続出、議会不要論さえ出ています。これは議席の既得権化やチェック機能の低下など議員側の責任です。地方議会活性化のためにはぜひ新しい人たちに立候補していただきたい。住民運動からの立候補や、市の審議会の住民委員として参加することも、行政の内部を知るためにはいい機会です。議会はみんなを待っています。

山崎陽一●1946年長野県上田市生まれ。
      東京写真短大卒。「週刊朝日」委嘱カメラマン
      を経て、羽村市議会議員2期目。
      著書に「最新日本結婚事情」(朝日新聞社)、
      「課長推薦この料理」(新潮社)など。
      多摩住民自治研究所・三多摩議員ネット・
      構想日本・日本写真家協会会員。

(文責:山崎陽一)

 

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