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 第109回JKSKサロン●JKSK会員とゲスト定例交流・勉強会

「夢!あきらめない!!-大地の声に耳傾けて-」

上山良子さん
       ランドスケープアーキテクト・
       長岡造形大学名誉教授・前学長

2015年5月20日(水)19:00~21:00
「CULTURE」(表参道)

本日の講師は上山良子さん。日本におけるランドスケープデザインの先駆けとなった方、JKSK会員でもあります。

私の原点(スタート)は1945年3月10日の東京大空襲。形あるものが無になることを知りました。そして生かされて自分ができることは何か・・・?と。

デザイナーという夢がありましたが、父に猛反対に遭い、嫌いな英語を専攻して上智大学へ進学。英語は目的ではなく手段としなくては、という思いを強くしながら学生生活を送り、ある日、ル・コルビジェ大回顧展へ行ったのです。大きな感銘を受け、ついにウルム造形大学入学に向けて猛勉強を始めたのです。人は好きなことが見つかると想像を絶する力を発するものです。そんな時、父の末期がんが発覚。日本にいなくてはならない状況の中で、千葉大学工業意匠科の研究室に入りました。しかしデザイナーがこれでいいのか?と思うほど、当時は固い思考の方たちばかり・・・。一方、スカンジナビア(半島)におけるデザインは、国が成り立つための要素であるほど重要視されていました。その頃見つけたSAS(スカンジナビア航空)の求人広告に偶然応募し合格してCAの世界へ飛び込みました。2カ月のスカンジナビア(半島)での研修を受け、風景や建築の写真も沢山撮る生活をしていると、同期からは「動機が不純だ!」とも言われましたが・・・。

航空機に乗る仕事の中で、「地球は丸かった!」ということを実感しました。その中で大地のアートがあるはず・・・と思い、南イタリアのロンダでは「人生とは何か?」ということをとことん考えてみました。ちなみに「日本に帰るべきか、帰らざるべきか?」を考えたのはスペインのアルハンブラでした。

その後日本に帰国、ほどなく万博の仕事のチャンスをもらいました(1970年)。NTTパビリオンのデザインです。それが私の最初のデザインの仕事でした。その後、横浜高島屋インテリアを立ち上げるなど、いろんな経験をさせていただきながら思ったのは、150年前「美しい庭園島」と呼ばれた日本国、その風景はどこへ行ってしまったのか?風景の学問があってもいいのではないか?ということ。そしてまた一念発起、退路を断ってカルフォルニアへ渡りました。ワーキングビザを取得し、パサディナのデザイン事務所で働きながら、カリフォルニア大学院(バークレー)に入学することができました。とにかく一年目が勝負!これほど勉強したことはなかったと思うほど、勉強しました。ここで、子育てをしているお母様に言いたいのは、「人は好きなことが見つかると想像を絶する力を発するもの・・・だから、お子さんがやりたい!ということをストップさせてはならない。」ということです。

ワークショップという言葉を初めて生み出した、ローレンス・ハルプリンにも学びました。カリフォルニアのSea Ranch へ行き、ワークショップに参加しました。あなたの「生」の場を見つけなさい!というワークショップです。みんなで考えるということは、それぞれの人が持つ資源を生かすということ・・・人が資源なんです。無事卒業し、バークレーヒルズからSFのハルプリンの事務所へ通勤する時、「ああ、これが私の夢だったんだな。」と思うほど、充実した毎日を送っていました。そんな時、7年ぶりに日本に帰国してみると、高度成長期を経た自国の風景に幻滅してしまいました。帰国後すぐに独立・・・しかし世の中は「ランドスケープデザインって何?」という状況。自分の無謀さに気付くのです・・・

1995年からは長岡造形大学教授に就任し、教育の世界へ。一人一人が持つ底力を引き出す面白さに気付きました。第1期生はもう30代後半ですが、世界でも日本でも活躍しています。私が教えられたんだな、と思うのです。その後2008年から学長を拝命しました。

デザインとは何か?誰かの役に立ちたい、誰かを助けたい、誰かを楽しませたい、「おもい」を伝えたい、誰かを幸せにしたい・・・ということなのです。最後に、私の人生の流儀は、「動ずれば生ず」。ひとづくりの流儀は、「無限の可能性を自らみつけさせること」。

上山良子さんの長い長いデザイン人生は、JKSKホームページの「女性100名山」で詳しくご覧いただけます。まだまだ聞いていたい、そんなワクワクするようなお話でした。人生七転び八起き!そんな力強いメッセージをいただきました。

(文責:事務局)

 

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