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 第111回JKSKサロン●JKSK会員とゲスト定例交流・勉強会

「米国におけるボランティア活動について」
        (15年の駐在員生活から見えて来たものとは)

吉田浩二さん
       一般社団法人東京キワニスクラブ理事・会長
       JKSK監事

2015年7月15日(水)19:00~21:00
「CULTURE」(表参道)

本日の講師は吉田浩二さん。JKSKでの監事だけではなく、国際ボランティア団体であるキワニスクラブの日本地区代表も務めておられます。三井住友海上火災保険時代に15年間アメリカに駐在された経験から、本日は「米国におけるボランティア活動」についてお話いただきました。

ボランティアとは何か?語源は英語のWillの語源ともなったラテン語のVoloで、意思や志願を意味します。つまりボランティアとは志願兵なのです。またボランティアの原則は一般的に、自発性、無償性、利他性、先駆性です。

米国の消防活動は大半をボランティアが担っています。全米に115万人いる消防士のうち、81万人はボランティアです。特に小さな町などでは主にボランティア消防士が活動しており、税金の節約にもなっています。ちなみに2010年、米国では72人の消防士が殉職し、うち44名がボランティア消防士でした。日本では消防団という組織がありますね。都市化が進み、減っている状況にありますが・・・

その他「グランドファーザーの会」というボランティア団体があります。父親がいないアフリカ系米国人少年の手助けをしています。「パートナーズ・イン・ヘルス」というボランティア団体は、例えば、ハイチ大地震の時にいち早く救助にあたりました。「国際救済委員会」というボランティア団体は、難民支援の組織です。

またIBMは「企業サービス部隊(従業員と発展途上国の政府や非政府組織をつなぐ)」を発足させ、年間6,000万円を投じ、アフリカ、アジア、中南米約50か国のプロジェクトに合わせて1,400人の従業員を派遣しました。その裏には“商売”という側面もあると思いますが、このような企業の取組はとても参考になるのではないでしょうか。

米国の主だったボランティア団体はほかにも、キワニス、ロータリー、ライオンズやオプティミオ、ソロプチミスト、ゾンタなどがあります。それぞれ明確な目的を掲げ、100年前後の歴史を持っています。また“ファミリー”と呼ばれる関連団体を持っている団体もあります。

教育現場でのボランティア活動は例えば、教師のアシスタントです。登下校時の安全確保、図書整理、先生の授業のアシスタント、ESL(ELL)の手伝いなどを行っています。また公立と言えども、すべての教育資金が地方自治体で準備されるわけではありません。年1、2回地域でファンドレイジングイベントが行われています。良い公立学校を有する地域の不動産価値が高まるという事実があるため、このような活動が熱心に行われているのです。

また貧困対策のボランティアでは、日本よりも手厚いところもあります。フードスタンプという制度があり、一定の収入以下の家庭に一人一ヶ月100ドルの食料品を買うことができるデビッドカードが配られます。利用しない国民もいたり、ホームレスの人たちは教会の炊き出しに頼っている現状もあります。

米国がなぜこのようにボランティア活動が盛んなのか?

それは“宗教の教え”が一番に挙げられるでしょう。どの宗教も隣人愛や施しの重要性を説いています。また政府に頼らず開拓地の仲間の結束を強固なものにする必要があったという背景もあります。そして米国は移民社会でありますから、相互扶助という背景もあります。日本でもあるように、ボランティア活動に対して税制が優遇されています。基本的に米国にはスモールガバメントの考え方が根強く残っているようです。米国は日本の5倍の寄付文化があり、日本の9倍のボランティア活動者がいます、また12~18歳の青少年の55%にあたる1,550万人がボランティア活動を経験しています。

日本のボランティア活動のこれからですが、東日本大震災などで100万人を超えるボランティアが活動しました。眠っていた私たちの目を覚ましてくれる体験になったのではないでしょうか。また日本では有償ボランティアを増やす考えもあるようです。企業のCSRを通してボランティア活動へ勧奨していますね。ベビーブーマー(団塊)も動機付ければ有能なボランティア輩出の宝庫かもしれません。最後に日本女性は心優しい・・・上から目線ではなく心が行き届いた支援活動ができるのではないでしょうか。

最後に・・・米国でボランティアをお願いすると「Thank you for asking me to do so.」と言われます。それだけ皆、ボランティア活動をやりたがっているということです。社会に役立ちたいと思っているということです。日本もそんな人たちが増えたら・・・と思っています。

(文責:事務局)

 

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