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 第113回JKSKサロン●JKSK会員とゲスト定例交流・勉強会

「都市と中山間を繋ぐ森づくり、プレゼントツリー」

鈴木敦子さん
       株式会社環境ビジネスエージェンシー(略称:eba) 代表取締役
       認定NPO法人環境リレーションズ研究所(略称:Er) 理事長

2015年10月21日(水)19:00~21:00
「CULTURE」(表参道)

本日の講師は株式会社環境ビジネスエージェンシー代表取締役、認定NPO法人環境リレーションズ研究所代表理事の鈴木敦子さん。座右の銘は「人生、あっという間!」未来に何を遺せるか・・・と考え、現在“プレゼントツリー”という事業をしています。世界最速で少子・高齢・過疎化が進んでいる日本、お金が停滞している日本。これは日本だけではなく、先進諸国共通の悩みでもあります。しかし、人・物・金・情報が循環すれば地域も活性していきます。私は、成熟社会のビジネスモデルのヒントがプレゼントツリーという事業にあると思っています。

森を守ろう!と言えば多くの方が賛成して下さいますが、実際に森まで足を運んでは下さいません。プレゼントツリーとは、「人生の記念日に樹を植えよう!」というもの。樹を必要としている森をターゲットに、樹を植えています。皆伐した跡に再植林できずに放置された人工林、ゴルフ場跡地、等々・・・。記念樹には植林証明書を発行し、ナンバープレートを記念樹に付け、長期(10年)の維持管理を実施しています。森の10年は長くありませんが、人生の10年は長いものです。ですから、10年間の信用を担保するために、四者間協定を結んでいます。森林所有者、行政、森林管理施業者、環境リレーションズ研究所の四者です。四者間協定を結ぶと地元メディアで取り上げられ、従来少子高齢化対策の方にばかり重点が置かれてきた地元行政が、積極的に森林再生の必要性を語り始めてくれるようになりました。

プレゼントツリーが実現するのは「森林循環」(周辺地域が丸ごと元気になることで森林保全・再生に繋げる活動)。プレゼントツリーによる植樹が必要なエリアは、元々山林が多いエリアや、少子高齢過疎化が進んでいるエリアなので、地域が潤ってこそ森も潤うという好循環を創ることが大切です。プレゼントツリーが始まって10年と少し。現在、国内22か所、海外2か所、102,000本を320万人の方々に支持いただきながら、今なお広がり続けています。

プレゼントツリー周知のためにミュージシャンのライブを開催したこともありました。また、クリーンキャンペーン(ゴミ拾いの謝礼としての植林代行)の展開、10個売れたら1本の樹が植林できるという「樹になる時計」の開発など、プレゼントツリーが販売促進活動にもなってきました。植林地への看板の設置ではそのデザインや絵(人気アニメ“NARUTO”)が評判になっているものもあります。企業がこのようにコラボをして下さる背景は、CSRが一巡し、マンネリ化しているということもあります。また、プロモーションネタとしてプレゼントツリーは好都合のようです。

311後には、プレゼントツリーの広がりがピタリと止まった時期もありましたが、その後企業が動いて下さり、復興地でのプレゼントツリーの森づくりが始まりました。復興支援を続ける理由が薄れる中、地元を巻き込んだ四者間協定や10年にわたる維持管理という内容が評価されたようです。また今年はJKSKとの縁から、福島県双葉郡広野町で防災緑地の中にプレゼントツリーを!という企画が進行しています。

日本の森の約40%が人工林です。拡大造林政策により、一度に同じ種類の樹が植えられてしまいました。多様性がないため、一度に病気が広がってしまうなどの弊害があります。また、日本の森の約50%は天然林(里山林、鎮守の森)。ここにも人の手が必要だと言われています。いわば、生物多様性の危機なのです。そのような中、初めて熱海の森を自分たちの森として所有し、里山再生に取り組み始めました。ボランティアの方々にも手伝っていただき、徐々に暗い森から明るい森へと変化してきています。熱海の森に眠る、休眠埋土種子を都会の緑化に生かし、森側の活動だけでは間に合わなくなった生物多様性保全を都会で進めて、同時に、荒廃里山が広がる地方にお金と人の流れを創る仕組み「アーバン・シード・バンク」も始動しています。

(文責:事務局)

 

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