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 第126回JKSKサロン●JKSK会員とゲスト定例交流・勉強会
「海上保安庁でパイオニアとして学んだこと -命の幅を活かす-」
永田潤子さん
      大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授
2017年2月15日(水)19:00~21:00
「CULTURE」(表参道)

本日の講師は永田潤子さん。「海上保安庁でパイオニアとして学んだこと-命の幅を活かす-」をテーマにお話し頂きます。

私は社会に出てから大学院に入り、学び直しています。社会に出てからの方が、解きたい問題や課題にぶつかるのです。現在は大阪で教鞭を取りながら、小田原に住むという生活をしています。社会に対して責任を果たせば、自分の陣営は自分でデザインできると思っています。そんな気持ちに至ったのは、今からお話しする海上保安庁での経験があったからです。

私が広島県呉市にある海上保安大学校に入学した頃に国際婦人年の大きな流れがあり、海上保安大学校も女性が入学できるようになりました。私はその第1期生です。入学を勧めてくれたのは父ですが、女子大で食品科学を学びたかった私は、あまり乗り気ではありませんでした。しかしいざ受験が始まってみると、このわけのわからない未知の世界の方が面白いのでは・・・と気持ちがどんどん傾いてきました。合格した女性は私一人!合格が分かったその日から取材が沢山入り、一躍注目の人になってしまったのです。春休みは追われるように過ぎ、18歳の私はとても不思議な気持ちになりました。「運命とか宿命ってあるのかしら・・・これが私の運命なのかしら?」と。その後大学院に入り直した頃に出会った易学から学んだのは「宿命とはもって生まれたもの、運命は宿命を活かすこと」。「命(めい)の幅を活かす」とも言います。気が合わない人とは、コミュニケーションに気を付けようと思うようになり、おかげで私は人の好き嫌いではなく、とても楽に生きるようになりました。上司や部下を持った時に役に立ったことでもあります。

13,000人しかいない海上保安庁の中で、女性は数少なく、とにかく目立ちます。もちろんそのためにハレーションも起こりますが、目立ってナンボ。目立つ方が実は泳ぎやすいし、やりたいことができたりもします。海上保安庁をやめて大学で働き始めたとき、その他大勢の一人になったような気がして「私、選択間違っちゃったかな・・・」と一瞬思いましたが、やはり今はとても泳ぎやすくなりました。

海上保安大学校は広島県にある4年半の全寮制の学校です。1学年50名。23歳の時に最初に赴任したのは、横浜。着任して翌日航海長に呼ばれ「今後海上保安庁で仕事をする上で一番大切なことを教えるよ。」と言われました。何と言われたかといいますと・・・「航海前に夫婦喧嘩をしたなら仲直りしてから船に乗りなさい。」ということ。その後、なぜ航海長がそんなことを言ったのか考えてみると、リーダーは心の環境整備が必要であるということ、最後の言葉が悔いのないようにすること(二次災難は絶対にあってはならないですが)ではないかと思うのです。私は心の環境整備のことをエネルギーチャージと呼んでいます。ただ単にストレス解消するのではなく、意識をしてエネルギーをチャージするのです。心の環境整備ができていない、いわば背中の荷物が重い時、いつもなら何でもない言葉に気になってしまうものなのです。私は自分を客観視する癖がついています。自分の感情が自分で分かってしまうと、例えば夫婦喧嘩は長続きしません(笑)!

人間力やリーダーシップとは何だろう?というのは、今でも私の疑問でもあります。私が船長を務めていた「まつなみ」は昭和天皇が海上生物を採取される時にお出ましになる船でした。26歳で「まつなみ」に乗船した時、有名な山本五十六の言葉(言ってみせ・・・)では人は動かないと思いました。そして人間力が優れ、リーダーシップを発揮できる人は、人生観・仕事観・人間観・情熱・健康・家庭・趣味・・・が氷山の下にあり、ここが厚いのです。このあたりを厚くすることが大切なのではないでしょうか。

人間に対する興味、自分自身に対する興味はまだまだ尽きません。女性が社会を変えられる、と思っています。

(文責:事務局)

 

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