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男も言いたい
瀕死の状態の日本を男性社会の内側から分析。ある時はグローバルでシビアな視点で。ある時は、あなたのすぐそばにいるオジサンのようなハートフルな視線で。男性から女性への深く、あたたかいエールです。

あらゆる「種」の人が集まった集合体で時代を切り拓く

漆崎 博之

漆崎 博之
昭和34年、北海道生まれ。昭和59年小樽商科大学商学部卒業同年株式会社リクルート入社。編集部、出版部、就職事業本部総合企画部課長、財務部エグゼクティブマネジャーを経て、現在執行役員学びディビジョンカンパニー長。

私は現在、リクルートという会社で「学び」事業を担当しています。よく「学び」とはなんですか?と聞かれますが。事業内容を簡単に言うと、18才までの学力低下や生涯教育の貧困さを是正し、多くの人に適正な学ぶ機会を提供することで、活力を失いつつある日本を元気にするということです。学びの重要性は国際競争力の低下とともに高まっており、次元の異なるご相談が一挙に増えています。例えば、今週末のオープンキャンパスの会場整理に人手を貸して欲しいという専門学校の依頼から、ビジョンを策定し職員の配置を含た組織体系や人事評価体系を作って欲しいという独立法人となった国立大学の依頼まで、大変ながらも期待の大きさを感じています。

本来ならば、このエッセイでは、オトコとかオンナという話しをということなのかも知れませんが、リクルートという会社は、その歴史の中で、その時代に最高のレベルの人材を集めるという点で、ほぼあらゆる「種」の人を採用しなければ、成長できなかったこともあり、結果としてあらゆる部分で不問のメンバーの集合体となっています。すでに17年前に女性役員が誕生し、その3人のうち一人が、現在の社長です。また、約4,000人の従業員のうち、45%以上が女性です。あと伝統企業に多い法・経・商系の学部出身者が取締役には2人しかいません。さらに1人は工業高校出身です。

そこで、今回は将来のリーダーシップを考えるという観点から、民間企業のマネジメントを担当する者として、社会に出る人に求めたい能力について触れたいと思います。確かに、経験した世界という観点でいうと、一昔前に比べると飛躍的に拡がっています。ただし、「4つの基本的な能力」という点では、もの足りなさが目立ちます。

一つめは、チームでうまく仕事ができること。たとえばお互いの強み、弱みを活かした仕事の進め方などを身に付けること。コラボレーションをより潤滑に行うことをプロジェクトマネジメントと言い換えることもできます。

二つめは、プレゼンテーションスキル。言いたいことを伝えられることです。物事は言えばよいというわけではなく、相手に伝えられなければ意味がありません。そのためには、言いたいことが何かを明確ににし、かつ相手が理解できるように伝えること。それには、相手がどんなモノの考え方をするのか、何に反応する人なのか・・・と、相手を知り、理解をすることが大切です。

三つめは、きちんと結論を出すということ。結論を出すためには、事実を整理し、かつ何が決まったことで、何が決まっていないことなのかを明確にすることが必要です。そのためには、ロジックを構築したり、ロジックに基づいて考える、ロジカルシンキングのスキルが必要になります。勢いや雰囲気だけでは、何も決まってないのと同じです。

最後に、ヒアリングスキル。きちんと相手の真意を読み取ることができるスキルです。分からないことは分からないと質問できることも必要。また、何を聞きたいかの仮説があり、それを聞き出すためには、どのようなプロセス、ストーリーでヒアリングを行えばよいかあらかじめ考えておきます。そうした準備がないと往々にして聞くべきことが聞けなかったり、ずれたことしか聞けないということが起こります。

以上、4つの基本的な能力について述べてきましたが、特にリクルートという会社では、不問の人間の集まりだけに、これらのスキルをしっかり持っているかどうかで、リーダーシップを発揮できるかどうかが決まるといっても過言ではありません。私のセクションでは、新人は必ず「4つの基本スキル」に長けた、2~3年上のブラザーについて1年間徹底的に訓練をしています。

そして、これからの社会は、よりモザイク的になり、さまざまな人々が機会を獲得し、その人のレベルにあわせた活躍ができるようになります。企業のエグゼクティブでさえも、様々な「種」をいれることが求められる時代になりました。背景の異なる人が集まる組織ほど、4つの基本スキルがより必要となりますが、大切さを教えられた人が年々減少する傾向にあるというところに、この国の泣き所があるように思います。

バックナンバーリスト

2002年5月 異質な人材の登用で閉塞感の打破を 島本一道
2002年4月 日本は変わり始めたか 前原金一

 

 

 
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