モノを捨てない社会をみんなでつくる

株式会社ユーズ 代表取締役社長 染谷ゆみ氏

2016年6月25日、天ぷら油を資源に転換し日本を資源立国に変化させる取り組みをされている、株式会社ユーズ 代表取締役社長である染谷ゆみさんの講演会を開催しました。

染谷ゆみさん講演会

染谷さんが天ぷら油を燃料にしょうと考えたきっかけは、大豆油の燃料生成に成功したというアメリカの記事を見たことだったそう。大豆油でできるのならば、天ぷら油でもできるはず!そんな思いを胸に開発に取り組み、世界初の天ぷら油リサイクル燃料「VDF」(ベジタル・ディーゼル燃料)を生み出すことに成功されました。

家庭用油は回収の義務がないため、使用済みの天ぷら油は固めたりそのまま捨てたり……と家庭毎に異なる方法で処理されています。染谷さんはそこに着目し、家庭用油の独自回収ルートを作り、実家である染谷商店にて精製し、バイオディーゼル燃料の生成を行っています。

現在目指されているのは、首都圏の家庭で使い終わった油を全部回収し、再資源化を通じてモノを捨てない社会(循環型社会)をみんなでつくること。このプロジェクトを「TOKYO油田2017」と名付け、着々と実現に向けて行動されています。

チベットでの経験で、環境問題に興味を持つように

環境問題に対する強い危機意識を持たれている染谷さん。そもそも興味を持ったきっかけは、高校卒業後に経験したひとり旅。ルートは大阪から船で中国へ渡り、チベット、カトマンズ、インドと回りました。

チベットからの国境越えでは雨季で雨が降りしきる中、道なき道をかき分けて、獣道を通ってやっとのことで村に到着した染谷さん。すると、突然カンカンカンという鐘の音が。ふと後ろを振り返ると、土砂崩れによって今通ってきた道が跡形もない状態に。「もしここを通るのが5分遅かったら、今ここに私はいなかったかもしれない」、と思わずその場でへたり込んでしまったそう。

そして、この時に言われた現地の人の「これは人災だ。伐採によって土地が荒れて、少ない雨量でも土砂崩れが起きたんだ」という言葉で、環境問題について考えるようになったと言います。

染谷ゆみさん講演会のようす

見るんだったら、大きな夢を

「TOKYO油田2017」のさらに先に染谷さんが目指されているのは、「墨田区油田力売電」。地域電力を供給する会社を設立予定で、「ご当地電力」を作ろうと活動されています。

最後に若い人へのアドバイスを求めると、「ぜひ、大きな夢を見ましょう!」とのこと。「夢が大きければ大きいほど、どうしたらそこにいけるか、思いっきり知恵を絞ることになります。だから、まずは大きな夢を掲げ、そして周りから面白そうな話をもらったら、とりあえず「乗って」みること。そうすることで素敵な出会いがあり、道が開けていくのではないでしょうか」と語られました。そんな染谷さんの現在の夢は、2017年にTIMEの表紙を飾ることだそう!

あなたにとっての「大きな夢」は何ですか? ぜひ考えてみて下さい。

(執筆:品田知美 編集:濱田真里)


主催:NPO法人JKSK(女性の活力を社会の活力に)女性100名山プロジェクト
共催:なでしこVoice

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