「教育は世界を変える」

東京インターナショナルスクール理事長、国際バカロレア機構日本大使 坪谷ニュウエル郁子氏

2017年8月5日(土)、東京インターナショナルスクール理事長でもある坪谷ニュウエル郁子氏の講演会を開催しました。

現在、国際バカロレア機構日本大使としても活動中の坪谷氏。「教育は世界を変える」というテーマで、これまでのご自身の活動と教育にかける想いを語って下さいました。以下、レポートをお届けします!

坪谷ニュウエル郁子氏の講演会のようす

坪谷氏が教育に携わる原点となったのは、1985年に、東京都港区にある願海寺でイングリッシュスタジオ(英語塾)を開校したことでした。この塾を開いた目的は、子どもたちに “I am special! You are special!”という認識をつけさせること。

その後も、チルドレンハウス(幼稚園)開校など、ご自身のお二人の子どもために良い人間教育を受けさせたいという思いで行動し続け、現在95%の生徒が外国籍である東京インターナショナルスクールや、発達障害を持っている子供のためのNPOインターナショナルセカンダリースクール設立に至ります。

インターナショナルスクールを運営する坪谷氏ですが、日本の教育水準は非常に高く、常に人のことを考えて行動する人が多くて大変素晴らしいものだとおっしゃいます。一方で、そんな日本の教育に足りないものは、「自己肯定感」と「発信力」だそう。

象徴的な例として、日本の高校2年生にアンケートで、自分のことをダメだと思うか質問したところ、7割が自分はダメだと答えました。このように自己肯定感が弱くて自信を持てないため、日本人は自分のことを卑下しがちです。また、「出る杭は打たれる」という日本の雰囲気があるため、自分の主張をする発信力が足りないと坪谷氏は考えます。

坪谷ニュウエル郁子氏の講演会のようす

また、講演の中で日本の教育について様々な視点から語られたのですが、子どもの貧困問題についても議論が起きました。現在、子どもの7人にひとりが貧困だと言われています。しかし、日本政府の教育に対する公的資金は、なんとOECD加盟国の中、最後から2番目の状態。

子育てや教育の充実は、未来への先行投資だと坪谷氏は考えます。だからこそ、少子化に進んでいる今、教育費を増やしてひとり頭が稼げる額を増やすことだと主張されました。

「経済格差が教育格差にならないようにすること」を始終一貫した口調で語られた坪谷氏。子どもは教育と環境で必ず変わるので、未来のためにも大人がしっかりコミットして、現状を変えていきましょう、という言葉で締めくくられました。

そんな講演会の満足度は、100%! 参加者の方からいただいたコメントを、以下掲載します。

・「子どもは18歳になるまで社会からの預かりもの」という言葉がとても印象的でした。今後子育てをしようと思う中、どうしても「私物化」してしまう時があると思うので、そういう時は今日の気づきを思い出したいと思います。

・子どもに携わる事業に関わる者として、現状の教育の課題を知ること、解決のためのアクションをどのようにするか、行動を通して考えていきたいと思いました。

・これまで自分の中にあった教育に対するモヤモヤが言語化され、またそれに対する知識を得て、指標という”何をすれば良いか”がわかりました。必ず自分で行動し、社会の役に立ちます。

坪谷ニュウエル郁子氏の講演会のようす

主催:NPO法人JKSK(女性の活力を社会の活力に)女性100名山プロジェクト
共催:なでしこVoice

女性100名山記事

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